今回は卸売メーカーで頻繁に行われる業務
商品の【出荷業務】について実体験を踏まえてレビューいたします。
- 卸売メーカーの出荷業務の具体的な作業内容
- 卸売メーカーの商品の流れ
- 出荷業務の重要性
- 出荷業務の難易度
まず初めに自己紹介からさせていただきます。

卸売メーカーでの勤務経験、商品出荷業務の経験があります。




商品出荷の流れ
はじめに、商品出荷の流れについて解説していきます。
商品出荷の流れは主に3種類あります。
新規商品の初回投入
- 新規商品がメーカー倉庫に入荷します。
- あらかじめ商談で決定している型番や数量と各納品先を指定します。
- 納期を設定し、各納品先に出荷する段取りをメーカー倉庫と組みます。
- メーカー倉庫の物流システムにデータ入力し、出荷指示をかけます。
- メーカー担当者から受けとった指示データをもとに商品仕分スタッフが仕分けます。
- 地域により異なりますが、納品日の前日出荷、前々日出荷に合わせ梱包します。
- 指定された各納品先、型番、数量を各々出荷していきます。
- 出荷後、納品先にデータを送信します。
- 納品された商品とデータを照合、検品を行います。
- 検品が終わった商品は、納品先在庫に入り、販売されます。
初回投入後のフォロー出荷
- メーカー担当者が出荷履歴と販売動向を把握していれば、都度出荷します。
- 安全在庫数(在庫切れが起きないためのボーダーライン)を割った商品の自動発注(=システム発注)
- 納品先の販売スタッフが都度商品発注をします。
- 受注した分、または担当者が把握している数量を初回出荷と同様に出荷します。
- システムの自動発注の場合は、倉庫システムに直接発注がかかり自動的に出荷指示をメーカー倉庫に行います。
- 納品された商品とデータを照合、検品します。
- 検品が終わった後は、納品先在庫に入り、販売されます。
客注対応(小売店によくあります。)
- メーカー担当者に数量と納期を問い合わせます。
- 注文数+安全在庫数を確保してもらいます。
- 納期はお客様都合によりますが、最短で依頼します。
- メーカー倉庫在庫を物流システムで確認します。
- 最短出荷日を倉庫スタッフに確認します。
- 確保数量と最短納品日を納品先の担当者に伝えます。(倉庫在庫がない場合は、次の倉庫入荷日や完売の旨を伝えます。)
- 倉庫システムで出荷指示を行います。
- 納品された商品とデータを照合、検品します。
- 検品が終わった後は、注文されたお客様へ販売されます。



商品の流れは主に上記の3通りです。
メーカー担当者+メーカー倉庫+納品先+販売スタッフの連携になります。
商品の流れといっても、実際のモノとデータの動きがあります。
どちらも狂ってはいけないので、十分な把握能力が必要とされます。
商品出荷業務のウェイト
商品出荷作業のウェイトに関して、担当取引先5社ごとに表にまとめました。
担当社数 | 1回の出荷作業時間 | 月の出荷作業回数 |
---|---|---|
5社 | 1〜2時間 | 6〜8回 |
10社 | 2〜3時間 | 8〜10回 |
15社 | 3〜4時間 | 8〜10回 |
20社 | 3〜5時間 | 8〜12回 |
25社 | 3〜5時間 | 8〜12回 |
卸売メーカーの商品出荷業務の頻度は上記になります。
あくまで僕が経験した会社がベースですのでご了承ください。
ちなみに僕のこの時の職種は営業職で、事務の方のサポートもありながら、
上記表のペースで出荷作業を行い、
営業職の本業とも言える商談等の交渉業務を行なっていました。



小売企業相手の商品出荷業務が上記のペースになります。
週に2回の出荷作業が基本です。
他にも客注などのイレギュラーも発生します。
少し脱線しますが、相手先の小売業態、または取引内容によっても商品出荷ペースは変動します。
半期に一度の納品になるのか、毎週細々と出荷していくのでは、差が出ます。
商品出荷業務の重要性
実は商品出荷業務は卸売メーカーにとっては生命線です。
なぜかと言いますと、納品金額がそのまま卸売メーカーの売上になるからです。
- 売価¥1,000の商品を卸値¥600で納品します。
- 商品の仕入コストは¥300です。
ここまでの条件が整っています。あとは卸売メーカーは納品するだけなのですが、
小売業とは違い、販売した分が売上にはならず、
卸売メーカーは納品した分が売上になります。
つまり
卸値の¥600円が卸売メーカーの売上になります。
(そこからコスト¥300を引いた金額¥300が粗利益になります。)
※厳密に言うと販売があるからこそ納品ができるのですが、それはまた別のお話で。
※更に厳密に言うと取引条件によっても売上の上がり方が違うのですがこれもまた別で。



商品の出荷業務は、よく事務職の方にやってもらったり、
またはDB(ディストリビューター)職に任せる仕事ですが、
会社の売上に直接繋がるので、かなり重要な業務になります。
商品出荷業務の難易度
僕は他業界・他職種から転職してきました。
その感覚から商品出荷業務の難易度を見ていきたいと思います。
職歴 | 難易度 | 備考 |
---|---|---|
新卒 | 50% | 初めてなので、ちゃんと教えてもらえます。折れなければ難しいことはありません。 |
20代未経験者 | 50% | まだまだポテンシャルはあります。頑張ればどうって事ありません。 |
20代事務系&同職種出身 | 20% | 切り替えに少し時間かかるくらいです。 |
30代未経験者 | 80% | 今からだと結構苦労します。流れの把握も大変です。 |
30代事務系&同職種出身 | 10% | 今と前の違いだけです。少しの修正でカンペキ。 |
業務レビューまとめ
※僕が今まで経験した業務と比較し、5段階評価しました。
ここまでいかがでしたでしょうか。
会社の生命線の【商品出荷業務】についてレビューいたしました。
重要な業務ゆえに緊張感のある作業になります。また実際の商品が見えないので、
直感的な作業ができない業務でもあります。二重苦にはなりますが、
無事に出荷ができて、売上が立って、会社に貢献できたというやりがいはあると思います。
当ブログでは、他にも企業や職種についてレビューしていますので、良かったら読んでみてください。
これを読んでいただいた皆様の転職や就活の助けとなれば幸いです。
ありがとうございました。
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